「転売って違法なの?」
「違法になる事例を知りたい!」
以前、メルカリ転売が違法になるかどうかということについて解説しました。
関連記事>>メルカリ転売は違法行為?3つの事例から学べる4つの対策!
今回は、転売そのものが違法なのかどうかということについて解説していきたいと思います。
結論から言ってしまうと、”やり方次第では違法になる”というのが正しいです。
よくわかる解説
転売そのものは違法ではない
中古品を転売する場合は古物商許可が必要
転売は詐欺罪に問われることもある
目次
転売そのものは違法にならない
”転売は違法だからできない”
この様な考えから、せどり・転売ビジネスをしないという人がいますが、誤解している人がほとんどです。
前述したとおり、転売自体違法行為ではありません。
詳しく説明すると、自分で使用する意図があって購入した商品、人からもらった不用品を転売する分には違法ではないということです。
また、新品の商品を仕入れて転売するのも違法ではありません。
スーパーに並んでいるお菓子や野菜も、卸売店から仕入れてスーパーで販売されています。
卸売店から仕入れたものを、スーパーは転売しているという形になるので、身近なところでも転売は行われています。
子供や学生の頃に、いらなくなったゲームを売りに行って、そのお金で新しくゲームを買うというのはそう古くない記憶です。
つまり、転売=違法なら、リサイクルショップやメルカリ等のフリマアプリは、違法性があるということなので、運営できません。
しかし、取り扱う商品によっては違法になることもあるので、その点をしっかり注意すべきです。
違法性がある転売の事例4選!
転売行為は違法ではありませんが、転売のやり方次第では違法になる可能性もあるので注意しましょう。
意識していないだけで、実は違法行為を犯しているパターンもあるので、その辺も合わせて意識したいところ。
今回紹介する違法事例は、下記の4パターンになります。
中古品を継続的に販売して利益を得る行為(条件あり)
チケット転売
詐欺行為
お酒の販売(条件あり)
この4つを押さえておけば、安心して転売ビジネスを進めることができます。
グレーゾーンで転売をしないためにも、内容をしっかり把握しておきましょう。
中古品を継続的に販売して利益を得る行為(条件あり)
まず、中古品を継続的に販売して利益を得る行為。
こちらは、まぎれもなく違法行為ですが、知らない人が多く意図せず転売しているパターンが多いです。
これは問題ありませんが、一定期間継続的に利益を出す場合に問題があります。
そもそも、中古品を転売する目的で仕入れて販売する行為が、違法行為に該当するのです。
ただ、これには条件が存在し、”古物商許可証”を取得している場合は、問題ありません。
要約すると、”中古品を商売につかっていいですよ”という許可証になります。
リサイクルショップでは、100%古物商許可証を取得しており、お店のHP等で確認すると、公開していることがほとんどです。
仮に、古物商許可証を取得しない状態で、中古品を販売した場合は、違法行為に該当するので要注意!
この許可証が必要な場合は、店舗運営する場合のみならず、ネットで転売やせどりをする場合も必要です。
僕もカメラ転売をしていますが、しっかり古物商許可を取得して会社を運営しています。
近年では、せどりや転売ビジネスが流行しており、ネットでできる副業として利益を出している人もいます。
商品を”中古”で仕入れて販売した時点で、商売が成立してしまうので、古物商許可は必要になるのです。
※古物商許可がない状態で商売をすると違法です
不用品処分なら問題ありませんが、売上を目的とした仕入れを行い、転売することが違法行為になります。
ちなみに、罰則として”3年以下の懲役、または100万円以下の罰金”を科されることもあるので、注意しましょう。
関連記事>>カメラ転売に古物商は必要なのか?
チケット転売
※現在はチケット不正転売禁止法が制定されています
近年、転売の違法行為で横行しているのが、”チケット転売”による違法行為です。
最近では聞きませんが、”ダフ屋”が違法行為になります。
ライブ・コンサートのチケットを業者が買い占めて、何十万円で転売したという事例も多く、ニュースでも報道されています。
https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1119172270482583554?s=20
XJAPANのYOSHIKIのディナーショーで、チケットが高額転売されていたというのは記憶に新しいです。
1枚6万円のチケットが、倍額以上の15万円程度で転売されて、公式が対処したという事例になります。
実は、ダフ屋行為を取り締まる法律というのはなく、地域ごとの迷惑防止条例で定められています。
違法行為ではなく、”違反行為”に該当しますが、悪質な場合は逮捕される可能性もあるのです。
しかし、チケット転売だけが違反行為というわけではなく、チケット全般に関する迷惑行為が違反になります。
該当する違反行為
転売目的でのチケットの買い占め
買い占める目的で売り場に並ばせる
イベント会場でチケットを売る
ダフ屋は、このほかにも”ゲームソフト、ライブグッズ、おもちゃ”といった商品を扱いますが、現状取り締まっているのはチケットのみです。
ファッションの事例を挙げると、”Supreme"というブランドがありますが、立ち上げの際にロゴTシャツが販売されます。
店舗ごとに個数が決まっており、限定生産されるということもあって、希少価値が非常に高い商品です。
今では、取り締まりも強化しているようですが、転売目的でロゴTを購入する人も少なくありません。
しかし、これに違法性はなく、チケットではなくTシャツというだけの話です。
また、チケットはコンサートに限らず、下記も該当します。
スポーツ観戦チケット
入場券(遊園地、博物館)
乗車券
最近では、USJがチケットの転売を禁止して、いかなる理由でもキャンセル・転売ができないということに対し提訴を起こされている最中です。
つまり、チケットを買ったら絶対に行かなければならないということなので、提訴されるのも理解できますね。
本人以外のチケットでは入園できないことから、転売も実質禁止されているようなものです。
迷惑防止条例で定められているだけなので、罰則については特に決まっていません。
東京都を事例にあげると、”6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金”になります。
常習犯の場合は、1年以上の懲役100万円以下の罰金が科せられます。
社会問題になりつつあるこの事例ですが、取り締まることができないのが現状です。
ダフ屋行為というのは、あくまでも公共の場で販売することに限ります。
”公園、私有地、ライブ会場”等が公共の場として認められており、それがネットになると違法性がないのが現状です。
ただ、完全にネット上でのダフ屋行為が検挙できないというわけではなく、実際に逮捕された事例もあります。
この女性の場合は、チケット転売で立件することができなかったので、”古物営業法違反”で逮捕された事例になります。
利益目的で、繰り返しチケットを転売したということが違反の理由となったわけです。
補足:チケット不正転売禁止法が制定
チケット転売を防止するために、2019年に”チケット不正転売禁止法”というものが制定されました。
コンサートやスポーツ等のイベントチケットを、利益目的で転売した時点で違法になるという法案です。
従来は、ダフ屋行為を取り締まることができなかったのを、さらに強化してチケット転売をさらに厳しく取り締まるために制定されました。
まず、チケット不正転売禁止法で違法行為に該当するのは、”チケット転売をして儲けようとすること”です。
しかし、イベントチケット言うのは、どのイベントでも該当するわけではなく、立件されるには条件があります。
チケット不正転売禁止法で取り締まることが可能なチケットは、下記の通りです。
エンタメ系の閲覧チケット(コンサート、ライブ等)
スポーツ観戦チケット
いずれも国内で開催されるもののみであり、海外公演のチケットは該当しません。
エンタメ系のチケットは、ライブやコンサート以外にも”映画、漫才、オペラ”といったチケットも該当します。
遊園地のチケットについては、エンタメ性はありますが、あくまでも”入場券”という位置づけになります。
そのため、チケット転売禁止法では取り締まり対象外のチケットです。
さらに、上記で説明したチケットがすべて取り締まり対象になるわけではなく、さらに細分化されます。
取り締まることが可能なチケットは、下記の要件を満たしたもののみです。
日時・場所・座席が指定されているチケット(記名あり)
運営が”利益目的でのチケット転売を禁止する”という説明をしている
入場者の氏名・連絡先を確認している(予約時に)
これらの要件を”すべて”満たしたチケットのみ、チケット転売不正禁止法に該当します。
対象チケットを転売して利益を得た時点で、違法行為に該当するので逮捕されてしますでしょう。
この法案が制定されてから、”チケット譲る=違法”という人がいますが、利益を得なかったら問題ありません。
対象チケットを、手数料込の定価・定価以下で譲る分には違法行為に該当しないということです。
この法案が制定されるまでは、チケットをよく高額転売するする人がいましたが、制定された以上転売した時点で違法です。
ネットオークションは、値段が跳ね上がりますし、結果的に利益が出ることも考えられます。
意図せず利益が生まれた場合も、チケット転売不正禁止法に該当するので、立件される可能性が大いにあるのです。
罰則は、”1年以下の懲役、または100万円以下の罰金”が課せられます。
ダフ屋行為は、迷惑防止条例でしか取り締まることができず、公共の場ではない限り違反行為になりません。
ネット上での転売行為が違反ではなかったので、それを禁止するために制定された法案といえます。
詐欺行為
せどり・転売では、詐欺行為を行って利益を得ることも違法です。
しかし、この場合は転売するという行為に違法性はなく、転売する過程が違法になるという稀なケースです。
チケット転売の例を出すことになりますが、人気バンドのサカナクションのチケットを転売して逮捕された事例です。
しかし、ダフ屋行為の迷惑防止条例でもなければ、チケット転売不正禁止法で逮捕されたわけでもありません。
この男性の場合、”詐欺罪”で逮捕されたのです。
違法性が高いこの行為は、チケットを転売したことではなく、”チケットを購入する過程”に問題があったという点です。
”転売目的で購入する”ということを偽った上で、チケットを転売したという点が詐欺罪に該当するわけです。
転売するという目的ではなく、最初からライブに参加する目的があって、購入する分には問題ありません。
そのため、転売するということに違法性はなく、”転売する前の目的”に違法性があるという稀な事例です。
この逮捕された男性の場合は、6,000万円の利益を上げていたとのことで、迷惑防止条例やチケット転売不正禁止法で立件されたとしても痛くありません。
”1年以下の懲役、または100万円以下の罰金”で済んでしまうからです。
しかし、今回立件されたのは詐欺罪であり、罪は非常に重く罰金刑は存在しません。
あるのは、10年以下の懲役のみであり、最低でも10年は檻の中というわけです。
チケット転売だけではなく、近年横行しているのが、偽ブランド品の違法転売です。
関連記事>>偽ブランド品に関する違法転売の事例
メルカリ転売の記事でも説明していますが、偽ブランド品を”正規品”と偽って転売することにも違法性があります。
この場合、詐欺罪に問われることもありますが、商標法違反にも該当する可能性があるのです。
2018年1月の事例ですが、スターバックスのスマホケース等300点以上を転売したということで二人の男女が逮捕されました。
海外で仕入れた商品であり、スターバックス本社の協力のもと、非正規品だということがわかり、”商標法違反”で逮捕したという件になります。
メルカリやヤフオクでは、安く仕入れることができるという点もあり、非正規の偽ブランド品が多く転売されています。
この場合、”知らなかった”で済まされず、転売行為自体が違法行為に該当するのです。
知って転売した場合(悪意)と知らずに転売した場合(善意)に、分けることができますが、いずれも下記に該当します。
悪意:詐欺罪、商標法違反
善意:商標法違反
詐欺罪の罰則は前述しましたが、商標法違反の罰則は"5年以下の懲役、または500万円以下の罰金”になります。
転売利益が残っている場合は、全額募集されるという仕組みになています。
補足:偽ブランド品の仕入れ原価はいくら?
余談ですが、先日僕の友人が韓国行った時の話をします。
久々の休暇で、単身で韓国に旅行に行ったことを嬉しそうに話してくれて、そのお土産としてブランド物のスマホケースをいただきました。
新品未使用ですが、ところどころキズや剥がれがあるものです。
友人にルートを聞いてみると、どうやら市場で買った非正規の偽ブランド品であるとのこと。
安かったのと、話のネタになるかなということもあって、購入してきてくれたそうです。
(現在は可燃ごみに出して処分しました)
購入した値段は、なんと1,000円だったそうです。
同じ商品をBUYMAで購入しようとすると、2万円以上する高級スマホケースです。
仕入原価が1,000円程度なので、転売してしまえば2万円の利益が確定します。
この世の中から、偽ブランド品の転売が消えないのは、ここにあると思います。
安く仕入れることができて、巧妙に作られたものなら、正規品とうり二つの商品になりますからね。
そこまで巧妙に作ることができる技術は尊敬しますが、人を騙してお金を取るような人は、最低の人間です。
真っ当に商売をしている立場からすると、悪質極まりない行為だと思いますね。
お酒の販売(条件あり)
これは意外ですが、お酒の販売も違法事例として紹介することができます。
しかし、中古品の転売と同様に、違法になるケースには条件があり、免許を取得して転売する分には問題ないとのこと。
まず、違法となるケースは”酒類販売免許を取得していないものが、継続的に利益を得るために酒類を販売する”場合です。
大掃除等で、家にあるお酒をメルカリやヤフオクで販売する分には問題ありません。
問題なのは、お店等で継続的に仕入れて転売することが違法になります。※無免許で
免許を取得すれば、個人でも法人でも継続的に販売して問題ありません。
国税局が公開している情報では、2015年に酒類販売免許を持っていないリサイクルショップが、家庭などからお酒を買い取って販売したとして、酒税法違反で摘発されました。
営業所・倉庫等に保管しているお酒を募集するとともに、20万円の罰金を科して逮捕には至らなかった事例です。
ネットオークションを見ると、個人でお酒を出品している人が多く目立ちます。
買い取り業者が出品していることも多いですが、それ以上に個人が多いので、目につきますね。
免許を取得しているなら問題ありませんが、おそらく大半が取得していないと思います。
お酒の転売を検討しているなら、古物商同様に免許を取得してから転売することをオススメします!
転売をするなら古物商許可は必須!
カメラ転売に限らず、せどり等で利益を出したいと思っている人は、古物商許可は必ず取得しましょう。
副業レベルで行う場合でも、中古品を仕入れて転売した時点で、本来は古物商許可が必要な取引です。
※個人の不用品を処分する場合は必要なし
継続的に稼ぎたいと思っているなら尚更、古物商許可の取得は必須です。
僕も古物商許可を取得しているので、必要書類や必要な費用について解説していきます!
まず、必要書類についてですが、原則として下記は最低限用意しましょう。
※今回は個人で始める人向けの取得方法を紹介します
必要書類
個人許可申請書
身分証明書
住民票
法人登記されていない証明
誓約書
HPのURL(サイトを運営している場合)
略歴書
市区役所で取得できるものもあれば、警視庁のHPからダウンロードできるものまで様々です。
いずれも、事前に準備できるものばかりなので、転売を始める前に集めておきましょう。
次に、申請に必要な費用についてです。
必要費用
取得手数料:19,000円
住民票:300円
登記がされていない証明書:300円
登記簿謄本:600円
全部で20,000円程度あれば申請することが可能であり、一時的な出費が必要になります。
必要書類と必要費用をもって警視庁に行き、申請をすると1か月程で許可が下ります。
まとめ:転売は条件次第では違法行為に該当することがある
転売行為が違法かどうかということを解説しましたが、転売そのものは違反ではありません。
しかし、条件次第では違法・違反行為に該当する可能性があるので、要注意です。
違法・違反行為に該当するケース
中古品を許可証なく仕入れた場合
チケット転売
詐欺行為
許可証なくお酒の販売をした場合
これらに該当しなければ、違法になることはありません。
特に注意しておきたいのは、中古品を転売するケースですね。
その他は、人に迷惑がかかる範囲での違法行為ですが、中古品の転売に関しては違法と知らず転売しているケースが多いです。
仮に、転売で収益を出したいと思っているなら、中古品の仕入れ・転売は必須。
許可証がない状態で転売してしまうと、古物営業法違反に該当してしまうことがあります。
そこまで取り締まりを許可していないということが言われていますが、逮捕事例があるのは事実。
”明日は我が身”という言葉があるように、いつまでもグレーゾーンで転売をしていると、いつか痛い目を見ることがあります。
堅実にお金を稼ぎたいという気持ちがあるなら、古物商許可の申請をしてから、クリーンな状態で転売を行いましょう!